東洋医学と西洋医学の大きな違いは「未病の治療」と「病気の治療」です。
西洋医学では、健康とは「病気ではない状態」と考えます。
そのためはっきりとした病気を治療の対象としています。
反面、冷えやむくみといった不調ははっきりした病気でないため
治療の対象になりにくいのです。
一方、東洋医学では冷えやむくみなどの些細な不調もカラダからの
サインとして見逃しません。
冷えやむくみは、カラダのどこかにひずみが生じた結果現れた
病気の”芽”と考え、これらを「未病」と呼んで治療の対象にします。
東洋医学は病気を”芽”のうちに摘み取って対処していくため、
心身の健康を維持するための予防医学と言えます。
★ ツボと経絡 ★
ツボは体調が体表に現れるポイントです。
東洋医学では、体内の臓器は臓腑(ぞうふ)と呼び、この臓腑と
体表を結ぶルートである「経絡」を通じて、身体の表面とつながっていると
考えています。
この体表側の経絡上にあるポイントを「ツボ(経穴)」と呼びます。
ある部分が「痛い」「硬い」「凹んでいる」「膨らんでいる」など、
周りと違う反応が現れることがあります。
この反応のある部分が「ツボ(経穴)」。
痛いなどの反応が現れるのは、体内に何らかの不調がある場合は、
それが経絡を通じて体表のツボに症状として現れてきているからです。
ツボを刺激することで、経絡の流れを整え、カラダの不調を臓腑から
改善していく方法が東洋医学(鍼灸治療)、マッサージ、指圧などです。
経絡は3つのエネルギーの通り道です。
内臓とカラダの表面をつなぐ「経絡」は、エネルギーの通り道で、
そのエネルギーとは”氣・血・津液(しんえき){水}”で、人間の身体を
構成する基本的な要素になっています。
「氣」は生命を維持するエネルギーで、不足すると、気力、体力が
低下し疲れやすくなります。
「血」は身体の隅々に栄養を運ぶもので、血の流れが良くないと
様々な病気を引き起こします。
「津液(しんえき)」はリンパなど身体を流れる体液全般のことで、
臓腑や皮膚に潤いなどを与えます。
不足すると皮膚に乾燥やかゆみが出たり、過剰になるとむくみやめまいを
起こすことがあります。
このように東洋医学では、”氣・血・津液”が滞りなく流れていることが
健康な状態であると考えています。
この3つがスムーズに流れるようにするのが鍼灸治療です。