鍋料理に入れるとおいしい「シイタケ」。
うまみ成分が多く出汁にも活用されるキノコ類の中でも
人気の高いのが特徴です。
精進料理の「精」は「米」に「青」と書く通り、
菜食を意味します。
仏教の戒律で殺生が禁忌とされ、動物性を避けた植物性のみの
食事が広がる中で、禅宋の精進料理は菜食でも味がしっかりと
しているとして広まっていったようです。
そして、それを支えたといわれるのが、干しシイタケの出汁。
香り成分のレンチオニン、うまみ成分のグルタミン酸と
グアニル酸が豊富で、特にグアニル酸は乾燥することで増加します。
シイタケのうまみ成分や風味は熱に弱いため、出汁を取る際は
冷水に5時間以上漬けおくことが望ましいです。
シイタケの種類として、
暖かい時期に収穫する「香信こうしん」と
冬から春先にかけて収穫する「冬姑どんこ」が代表的です。
チラシ寿司や炒め物の具などには香信が、出汁や煮込み料理には
冬姑が重宝されます。
冬姑を天日干しして乾燥させるとビタミンDが豊富で理想的とされてます。
ビタミンDは,カルシウムの骨への沈着を促進して骨粗しょう症を防ぐ
大切な栄養成分です。
食養生からのおススメは、シイタケスープです。
干しシイタケ2枚を水300CCに入れ、水の量が3分の2に
なくなるくらいまで煮詰めたものに、醤油小さじ1杯程度の
好みの濃さの味付けをして、そのまま頂きます。
シイタケに含まれているエリタデニンには、血中の悪玉コレステロールを
下げる働くがあります。
食べ過ぎた後の風邪引きからくる高熱や、高血圧や動脈硬化などに
効果があります。
肉類や油物の過食の後に蕁麻疹が出た場合などにもおススメです。
子供の高熱には食べすぎが関係することも多く、
お腹と手を触ってみて冷えがなければ有効です。
但し、シイタケは陰性な食材なので、
冷え性の人は続けて摂ることは控えたほうがいいでしょう。