疲労には大きく
精神的疲労、身体的疲労、脳疲労があります。
又は、継続時間による分類では
急性疲労、亜急性疲労、慢性疲労があります。
通常の疲労であれば、休養をとる等の方法で
解消されるもるですが、継続時間の長い慢性疲労の場合は、
の蓄積された状態であり、容易に解消されません。
その症状は、強い疲労感、筋肉痛、頭痛、咽頭痛、
睡眠障害、精神障害、脳機能障害があるといわれています。
ただし、ここで注意しておきたいのが、
疲労と疲労感についてです。
この2つの単語はほぼ同意語として使われがちですが、
実は疲労と疲労感とはまったく異なるものです。
たとえば同じ距離を、観光として風景を楽しみながら
歩く場合と、ただ仕事場に向かって歩く場合、距離が
同じであるにもかかわらず、疲労感がまったく異なります。
また、つまらない単純作業はすぐに飽きて疲れてしまいますが、
やりがいのある仕事や楽しい作業は疲労感が少なく感じられます。
このように疲労感は、意欲や達成感に大きく影響されて
いることがあります。
これは、前頭葉が発達した人間だからこそ受ける影響である、
と言えます。
この疲労感をあまり感じない時、実は身体は疲労していますが、
ドーパミンやβーエンドルフィンというような興奮物質が生み出す
達成感が、これを感じる程度を抑えているのです。
疲労には脳が大きく関わっていると考えられます。
筋肉が疲れたと感じる時にも、実は脳疲労が起きている
ことが近年、わかってきました。
特に、自律神経の中枢と言われる視床下部が、身体を
使った時に疲労していたのです。
余談ですが、これまで筋肉痛は筋肉に乳酸が溜まることが
原因であると、長らく言われてきましたね。
この説は科学的根拠がないことが明らかとなっています。
ではなぜ、カラダを使うと脳疲労が起きるのでしょうか?
運動をしている時のことを想像してみてください。
運動を始めると自律神経の働きにより、数秒後には心拍が上がり、
呼吸が早くなり、やがて汗をかきます。
こうした症状はごく自然なのですが、すべて脳の中に
ある中枢(視床下部や前帯状回)がコントロールを
しているのです。
よって、カラダを使う時であっても、視床下部は常に
疲れやすい部分であるといえます。
こうした疲労によって発せられる疲労感という信号が、
ドーパミンなどにより覆い隠してしまうと、疲労が
蓄積され、慢性的疲労に陥ってしまいます。
最近の研究結果から、疲労の原因として活性酸素が
注目されています。
人間が活動すると、筋肉であっても脳であっても、
酸素を用いてアデノシン三リン酸を作り出します。
この結果として大量に生産されるのが、活性酸素です。
この活性酸素は、強力な酸化作用をもっているため、
過度に発生すると、生体防御の枠を超えて自身の細胞を
酸化する恐れがあります。
細胞が酸化することで機能不全に陥り、活動能力の衰退、
労へとつながるのです。
こうした活性酸素による細胞の酸化は、老廃物を産生しますが、
その一種から誘発される物質として疲労因子FF
(ファティーグ・ファクター)があります。
疲労因子FFは、疲れを起こしてしまう直接の原因であること、
そして疲れている状態とは、カラダに疲労因子FFがたくさん
増えた状態であることです。