タンポポはキク科の多年草で、生命力が強く、
長い根を持つことが特徴です。
数十センチから、長いものでは1メートルを
超えることもあるほど、地中深くに根を伸ばします。
地表ではご存知の通り、花をつける茎は短く、
葉はほぼ水平に広がっていますよねぇ。
見える部分に比して地中の成長の方が大きいことから、
陰陽では体を温める陽性の性質が強いことが分かります。
食養生では、古くから母乳の出を良くする野草として
用いられてきました。
採取してきたタンポポの根を乾燥させ、細かく刻んで
フライパンで乾煎りし、水で煎じたものを飲用します。
タンポポコーヒーと呼ばれ、コーヒーの代用品としても
口にされてきました。
一般的なコーヒーの原料であるコーヒー豆は、
南米やアフリカなど熱帯地方で収穫されていることから
陰性のものです。
焙煎によりある程度は陽性化されますが、元々持っている
陰性の性質が強く、そのため、コーヒーの飲み過ぎは
身体を冷やしてしまいます。
カフェインも入っていないので、母乳育児中の母親や
妊婦が飲んでも体に優しいのです。
最近では、タンポポ茶として全草を乾燥させたものも
広く出回るようになりました。
タンポポは古くから漢方では「浦公英」として
解熱・健胃の生薬に用いられてきたほか、
古代ギリシャでは消化のそくしん、肝臓の治癒、
利尿剤にも使われていたようです。
また、アメリカの先住民も、タンポポを水から
沸騰させ腎臓病、胸やけ、胃痛の薬としてきたといいます。
近年の研究では、催乳作用に加え、利尿効果があり
浮腫みを改善するほか、腎・膀胱系の疾患の治療効果や、
解毒作用、ホルモンバランスの調整作用があることが
解明されてきました。
また、血糖値降下や肝臓機能促進の作用、さらにはガン細胞を
分解する作用の研究まで進んでいるとか。
なだ成分の特定にまで至っていあないところもあるものの、
科学の力がタンポポの効能に追いついてきたいったところでしょうか。
タンポポのたくましさ、それを利用してきた先人の知恵を
通してのメッセージといえるかもしれませんねぇ。